ニューアルバム”madonouchi”リリースに寄せて

2024/03/14
オガサワラヒロユキ

4/11(木)に新しいアルバム”madonouchi”をリリース!と言う訳で、先日、トレーラーも公開して、そろそろフィジカル(カセットテープ)も届くので、いよいよと言う感じがしてきた。


オガサワラヒロユキ – madonouchi
2024/04/11リリース
フォーマット:カセットテープ+DLコード
価格:¥2,000(税込)
【Track List】
A1. Birthday
A2. 雨の精
A3. You & I
A4. 2020
A5. あかあおみどり
A6. 僕らは化け物

B1. 雪がとけたら
B2. TOKYO SUNSET
B3. そんなに なんで しゃべるの
B4. ダンス
B5. 夢でも逢えたら

前作”TONIGHT IS THE NIGHT”が2012年12月リリースなので、 昨年リリースした”Boys & Girls, Girls, Girls”を企画要素が強かったことを踏まえてカウント対象外とすると 約12年ぶり(!)の音源。

この12年のうち半分以上の期間は、分かりやすいところではコロナがあったり。他にも私的な問題があったり。 結構、人生がてんやわんやしていたので、こうやってまた音源を出せるのは実に感慨深い。(そう言えば、今回”madonouchi”と言うタイトルなのだけど、昔、次のアルバムタイトルは”HEAVEN & HELL”にしようと本気で思っていた時期があった。ブラックサバス。)

今回、11曲入りなのでフルアルバム。これまでリリースした音源はミニアルバム(6曲入りとか7曲入りとか)だったので、長くやっているのに実はフルアルバムを作るのは初めて。

と言う訳で、リリースまでに全曲紹介とかしようかなと思い、重い腰を上げてPCに向かっている。まずは、どんな形で制作していたかをイントロダクション的に書いていきたいと思う。(長いよ)

時は遡って2020年2月。山口県で2本ライブをした。山口に向かう時、コロナが流行り始めているからマスクして行かないと、と話をしていた記憶がある。その後、事態は急変して一気に外出自粛モードに。僕は普段IT系の仕事をしているのもあり、いきなりフル在宅勤務になった。そんな状況下でコロナに罹患しようものなら、「お前どこで何やっとってん?」と詰められるのでは?と、そんな思いがあった。(実際、そんな風に詰められることはないのだが、世間にそう言うことを言われそうな雰囲気があった)実際、大阪のライブハウスでクラスターが発生した、とニュースになっていたこともあり、完全にライブ活動が止まってしまった。

ライブが出来ない中で何をやろうか、と言うことで、配信ライブ等もやっていたが、並行して宅録でもやってみようかと思い立った。もともとソロ活動を始めた頃、ドイツのレーベル morr music(当時は、いわゆるフォークトロニカ的なものが多かった)が好きでよく聴いており、最初は宅録プロジェクトみたいなことをしたいと思っていたんだった。

こんなやつ。


実際、初心者向けの宅録セットみたいなものも購入していたのだが、その当時、スペックのよいPCを持っていなかったこと、そして何よりちょっとやってみて絶望的にセンスがない!と感じてしまったことで、アコギ弾き語りでいいや、となった過去があった。※その当時購入していたコンデンサーマイク(AT3035やったかな?)は今回のレコーディングで使用した。

そう、あの頃のリベンジをするなら今ではないか、とコロナ関連の給付金10万円を元手に、ANTELOPE AUDIOのDiscrete 4 Synergy Coreと言うちょっといいオーディオインターフェースを購入。少しずつ録音を始めていった。2020年に作った楽曲”2020″の弾き語りを録音したり、並行して”TOKYO SUNSET”を録音したり、打ち込みをやってみたり。最初はDAW(音楽編集ソフト)に付属の音源で作っていたのだが、どうもうまくいかない。そんな中で自分の中で退路を断つ、というかDAWの付属の音源だからうまくいかないのでは?と言い訳する余地を無くそうと、Omnisphereはじめ様々なソフトシンセを導入したり。(Omnisphere は当時よく聴いていたmoonchild(ネオソウルの方)も使ってる、とか見たのがきっかけだった記憶)Spliceで色んなネタをダウンロードしたりもした。いまだに使いこなせている感じがしないが。

2021年~2022年、YMO関連?の人たちの音楽を改めて聴いてハマったり、仕事でミスをやらかして、朝の5時から0時くらいまで仕事していたり、ゼルダ(ブレスオブワイルド)とか、信長の野望とか、三國志とか、ゲームに逃げたりしていると、世の中が徐々に通常運転に戻っていった。そんな中で僕はずっとライブを再開するきっかけを掴めないままで。周りが動き出したのを見て、うらやましかったり、ぼんやり焦ったり。 しかも、あんなに注意して生きていたのにコロナに罹るという。アホみたいやん、と落ち込む。しかし、一方それと同時に、この音源を完成させることが活動を止めていた意義になるのでは?と言う思いも芽生えてきたり。 2022年の秋に子供が生まれて、3ヶ月の育児休暇期間にラストスパート。2022年12月に全ての録音が終わった。最終的に11曲録音して、全て宅録。なんだかんだと11曲を独力で録音までできたのは少し自信にもなった。

ミックスは、”TONIGHT IS THE NIGHT”でもミックスしてもらった髙原裕介さんにお願いした。(先日、髙原さんに言われるまで忘れていたけど、2022年の大晦日に連絡したらしい・・・。)髙原さんとはもう10年以上のお付き合いで、今回、家で録っているのもあり音質に自信もなかったし、何でも遠慮なく言える関係性の人がいいな、と言うことで。 そう言えば、2023年になって高橋幸宏さんが亡くなり、すぐに坂本龍一さんも亡くなったのはショックだった。 髙原さんともそんなやりとりをしていた。

そして、マスタリングは初めてお願いする遠藤ナオキさん。AKBとか乃木坂等のお仕事もされているプロフェッショナル。髙原さんが録音・ミックスした町田直隆さんのアルバムを聴かせてもらう機会があり、それが非常にいい音で、変な言い方をするとメジャーみたいな音だな、と思った。それで髙原さんにマスタリングは誰がされたんですか?と聞いたのがきっかけ。

こうして2023年の2月にはマスタリングが終わり、実は音源としては完成していたのだった。

そこから、遅ればせながらジャケットとMVを作ろうとなった。ジャケットは、para-diceのTシャツでもおなじみの堀田ちさと(ほり)。”オガサワラヒロユキ×ユピトーク”以降のジャケットはいつもお願いしている。今回のジャケットは窓の写真の一部が絵になっていると言うもので、写真は大阪の某アンティークビルで僕が撮影して、ほりにイメージを伝えて絵を書いてもらった。

MVは高本くん(sho takamoto)。MVを作りたいと思っていた時、周りの情報をシャットアウトしたくてずっと見ていなかったX(当時、まだTwitterだったかもしれない)を久しぶりに開いたら、偶然MV作ります、的なポストを見つけて依頼させてもらった。この記事の最初にあげたトレーラーも彼に作ってもらった。現時点では未公開だけど、もう1つMVを作ってもらっているのでこちらもお楽しみに。そう言えば、高本くんにはコロナ禍にpara-diceでやった配信ライブでもお世話になった。こちら。

2023年8月には、ずっとリリースが保留になっていた企画盤”Boys & Girls, Girls, Girls”をリリースしたのもあり、4月はpara-diceの周年だから、と言うのもあり、最終的に4/11リリースにした。

当日はpara-diceでリリースパーティーもやるので、ぜひ来て欲しい!東京から、壊れかけのテープレコーダーズ、Have a Nice Day!でも活躍されている遊佐春菜さん、滋賀からigawa takuさん。お二人とも、なんとこの日が初対面。レコ発と言うだけではなく、自分の聴きたい人をちゃんと呼べたのでとても嬉しいし、楽しみ。

2024.04.11(木)[大阪]扇町para-dice
オガサワラヒロユキ”madonouchi” Release Party
OPEN 18:30/START 19:00
前売:2,500yen/当日:2,500yen
w/遊佐春菜, igawa taku

はい、長くなったけど、そろそろ終わります。なんか忘れてるかもしれないけど、ご容赦を。次回からは1曲ずつ楽曲紹介的なことを書いていく予定です。引き続きよろしくお願いします。