“Boys & Girls, Girls, Girls”ができるまで~第4話~

2020/10/21
オガサワラヒロユキ

第3話まではこちらをご覧下さい。
http://ogasawarahiroyuki.com/archives/category/boys-girls

第3話でオケが完成したところまで書いた。

次のステップは一緒に歌う女性ボーカルを誰にするか、なのだが、その前に今回はこの音源を作るうえで考えた工夫について書いておきたいと思う。ここまで書いてお分かりの通り、1曲毎に女性ボーカルが違う、ボーカルが違っても同じオケで歌うわけだから、女性ボーカル以外はすべて同じになる。そんな当たり前の話。そして、そんな曲を音源として並べてもつまらないのではないだろうか、と僕は思った。

そこで2つの工夫を考えた。

・その1:
ミックス(各楽器のバランスを整える作業)するエンジニアさんを1曲毎に違う人にした。

・その2
歌ってもらう女性ボーカルの方に録音してもらった環境音を曲の冒頭に入れた。

文字で書いても正しく伝わっている自信がないので、以下の2つを聴き比べて欲しい。

もっと言うと、1つ目のバージョンはシングルバージョンなので2つ目のバージョンとマスタリング(ミックス後の最終調整作業)のエンジニアが違う。そして1つ目のバージョンは環境音は103CAが録音したものではなくてMVを撮影した時に僕が録音したものだったりする。・・・のだが、何がしたいかは概ね伝わると思う。

この段階でアホちゃう?と思う人もいそうだけど、僕はこれを最終10バージョン作って1枚の音源にしたというわけ。

僕は、昔からこのアルバムのエンジニア誰やろ?とクレジットを見るのが好きだった。最初に意識したのは高校生の頃。Foo Fightersの名盤”The Colour and the Shape”の音と、同じ時期に大好きだったThe Almightyと言うメタルとパンクの融合みたいなバンドのアルバム”Crank”の音が何となく似ていると感じた。アルバムのクレジットを見ると、どちらのアルバムもChris Sheldonと言う人が関わっていた。(”The Colour and the Shape”はミキサーで”Crank”はプロデューサーだった気がする)きめ細かい歪みの感じがよく似ていて、エンジニアの個性と言うのはこんな感じで出るのか、といたく感心したのだった。

・Foo Fighters – Everlong

・The Almighty – Jonestown Mind

なんか音似てないですか?

このあたりの過去の経験から今回の発想が生まれた部分もあると思う。

なんだか話が脱線してきたので今回はこのあたりで。次こそ歌のレコーディングのお話ができたらと。お楽しみに。

<第5話>
http://ogasawarahiroyuki.com/archives/9137

<Boys & Girlsシングルバージョン宣伝>

ノルウェーのエンジニアChris Sansom氏(Propeller Mastering)にマスタリングしてもらったシングルバージョン。Chris氏はAurora, Todd Terje, Highasakite等を手掛けているエンジニアです。

・”Boys & Girls feat.103CA[Single Ver]”MV

・各種配信先