遅ればせながら

2014/01/25
オガサワラヒロユキ

遅ればせながら2014年初ブログ。明けましたよ。今年もよろしくお願い致します。年明けから、仕事がえらいことになり、まとまった時間がほとんど取れない状況。今日も実は休日出勤中と言う・・・。

年末も色々書きたいことがあったんだけど、順を追って。まずは海外に行ってた話。1か国目はアイルランドのダブリンへ。こんな名物食べましたよーなんて話は書いてもしょうがないので、ライブを見た話を。

アイルランドの英雄と呼ばれるPhil Lynottと言う人物はご存じだろうか。Thin Lizzyのボーカリスト兼ベーシストで、世界的なヒットも飛ばしたのだが破天荒な生活が祟り1986年に亡くなっている。ダブリンを舞台にした”Once”と言う映画があって、その中で主人公がダブリンのストリートミュージシャンに声をかけてバンドメンバーを探すシーンがあるのだけど、スカウトされたミュージシャンは「俺たちはリジィ(Thin Lizzy)のカバーしかやらねえんだ」と言う。それくらい国民的なバンド(らしい)。

そのThin Lizzyは90年代半ばにJohn Sykes(Thin Lizzy最後期のギタリストであり、Whitesnake、Blue Murder等で有名な人)を中心に再結成。で、数年前に、John SykesはやめてボーカルにRicky Warwickが入ったと聞いていた。Ricky Warwickと言えば、The Almightyと言うMotorheadをモダンにしたような、パンク・ハードコアからの影響も感じさせるイギリスのへヴィメタルバンドで、僕は高校生の頃、このバンドのコピーバンドをしていたくらい好きだった。が、Phil LynottとRicky Warwickにはどうにも共通点があるようには思えず、ミスキャストやな、くらいに思っていた。

前振りが非常に長いのだけど、このRicky WarwickのいるThin Lizzyが母体となって「Black Star Riders」と言うバンドになった。(Thin Lizzyの曲はプレイするものの、メンバー的にThin Lizzyを名乗るのはおかしいのでは?となったそう。それにしてもバンド名ダサい。)そう、僕がダブリンで見たのはこの「Black Star Riders」と言うバンド。せっかく海外に行くのだから向こうでライブ見たいなーと思っていたらダブリンでこのバンドがやるという。冒頭で触れたように、アイルランドの英雄の血を引くバンドをアイルランドで見る、こんな素敵なことがあるだろうか!と思ってチケットを取った。

話は当日まで飛ぶ。会場はダブリンのThe Academyというところで、ハコの外にはヘルズエンジェルズにいそうな強面のおじさんから、昔はブイブイ言わせてたのよと言わんばかりのおばさん、だけでなく若者も結構いたと思う。入る時に、名前と住所を訊かれたのだが、外人さんとしゃべるのに緊張してずっと名前ばっかり言っていた、と言う恥ずかしい話もありつつなんとか入場。会場はすでに満員。キャパは梅田のクアトロより少し広いくらいだろうか。さすがに日本人は一人もいない・・・と思ったら日本人かどうか定かではないが、アジア系の女性が一人いた、が、ただそれだけ。アイリッシュ・トラウトをオーダー。(黒ビール苦手です。)

デビューアルバムは聴いていた(このアルバムが結構よかったこともありライブを見に行こうと決めたところもある)し、Thin Lizzyも代表曲は知っているのでとっても楽しめた。ライブの途中で、現地の人(50歳は過ぎたように見えるおじさん)が「日本人?」と声をかけてきた。「このバンドを見にダブリンに来たんだ」と言うとすごく喜んでくれて、携帯に入っている写真を見せてくれた。「35年前の写真なんだ。これがPhil Lynott、これがGary Moore・・・、これは僕で、これは彼・・・」と彼は自分の連れを指さす。僕の頭は混乱した。もしかして当時のThin Lizzyのメンバーだったりするのでは?と。「あなたはThin Lizzy?」と聞くと「違う違う、僕たちはファンだ」と。彼の携帯の待ち受け画面はThin Lizzyのロゴだった。

ライブも後半戦。BON JOVIもカバーしたことのあるThin Lizzyの名曲”The Boys Are Back In Town”をさっきの現地のおじさんと肩を組んで合唱する。アイルランドで、アイルランドの英雄の曲を、アイルランド人と肩を組みながら歌う。んーなんて幸せな時間。最高やないか。

これ実際に見に行った日のライブの映像。

そして、この曲はなかなかの佳曲だと思う。アイリッシュとハードロックの融合。(なぜかPVはアメリカン。随所にアイリッシュパブとかギネスとか出てくる。)

こんなバンド絶対に日本やったら見れへん、と思っていたのだけど実は出発の数日前に来日公演が決まったことを知る(ショック!)。しかもなぜか大阪公演はなんばハッチにて。人入るのか・・・と言う訳でこのライブは見に行こうと思っている。

99.9%誰も興味のない話に付き合って頂いた方、どうもありがとう。次回はロンドンでThe Waterboysを見た話を。お楽しみに。