SINCE 1993(12)
PEALOUTの話をもう少し書こうと思う。初めてのライブを見てから数か月後、アルバム”THE UNKNOWN PLACE”をゲットしたHMV心斎橋店(OPAの上)で、PEALOUTのインストアライブがあった。(オフィシャルを見ると1998年9月13日だった。)ショッピングモールにあるHMVで轟音。恐らく、他の店舗は迷惑だったかもしれない。でも、既にファンになっていた僕はインストアだからと言って一切手を抜かないそのライブにまたもや、しびれたのだった。前回書いた末吉さんも来ていて、一緒にバンドをやろう、と言われた流れもありデモテープをもらった。聴いてみたら、何だかビジュアル系みたいで一瞬で興味を失ってしまった。
本筋とはズレるけど、このHMVにはOBLIVION DUSTもインストアに来ていてサインをもらった記憶がある。 サインをもらう時にRIKIJI氏に「うっす!」と言われ、それを見たKEN LLOYD氏が軽薄な感じで「男にはみんなうっすなの~?」と言っていた。(しかし、昨日の夜何を食べたのかも忘れてしまうのに、30年近く前のこんな細かいことを鮮明に覚えていると言うのは、人間の脳は一体どうなっているのだろうか)
そして、 元々洋楽至上主義だったのが、 この頃から特に分け隔てなく邦楽を聞くようになる。時は1998年。後にSnoozer(雑誌)で1998年にデビューしたバンド/ミュージシャンの何組かを「 1998年の世代」だったか、そんな風に呼んでいたと思う。確か、くるり、スーパーカー、ナンバーガールとかそのあたり。当たり前に洋楽の影響を受けて自分達の音楽性に反映させているバンドがたくさん出てきていた。(大きな流れの中で見れば、PEALOUTもその一つだったと思う。)
少し毛色が違うところで言うと、この頃、僕はDragon Ashが大好きだった。初めて見たのは心斎橋クラブクアトロ。これもかなり鮮明に覚えている。降谷健志(当時はkjとは名乗っていなかった)は、白シャツにドレッドという出で立ちで、投げキッスしながら登場。まさにスターだった。
これこれ。こんな感じ。しかしYouTubeって何でもあるな。さらにヒップホップに傾倒してガチガチに韻を踏み出す直前がとても好き。音源で言うと、”Let yourself go, Let myself go”まで。個人的には「陽はまたのぼり繰り返す」が最高傑作だと思っている。
さて、そんなこんなで1998年年末。第5回目あたりでも書いた高校で年末に開催される音楽イベント、「ロクフェス」の季節。3年生は受験があるので基本的にこのイベントには出ない。でも、僕は出た。なんでだろうか。恐らく深い考えや、強い思いがあったわけでもなく、単純に出たかったから出たんだと思う。どんなバンド名だったかな、「ムスタング」とかそんなダサい名前だった気が。スリーピースで、僕はギター&ボーカル。親には、なんとなく受験直前の時期にバンドをやると言い出せず、イベント当日は家からギターを持ち出せなかったので、後輩にギターを借りた。フェンダーのカート・コバーンモデル。そう「Jag-Stang」 というやつ。鮮やかなオレンジ色だった。確かやった曲は以下。
1.Cool Borders(Dragon Ash)
2.Slave(Silverchair)※選曲が実に渋い
3.Smells Like Teen Spirit(Nirvana)※ベタですね
4.Mustang A Go Go!!!(Dragon Ash )
しかし、今思えば、俺めっちゃDragon Ash好きやん、と。映像はSilverchair。
しかし、高校生と言う多感な時期と言うのもあったけど、この頃、邦楽は色んなバンドが出てきて本当に面白かった。1998年終わり~1999年頭に聴いていた邦楽はこんな感じ。どれを聴いてもちょっと泣きそうになる。
・Penpals – be adams e.p
I Wanna Knowはアルバムバージョンより、このepのバージョンの方が好き。イントロでSuicide!と叫んでいるのが 後で書くDeath Surf 2000のメンバーだったような。Penpals解散後、ドラムの上条欽也さんは、CHUB DU(じゃなかったかもしれないが、DICEかpara-diceで、ドラムが鬼のように上手かったのを覚えている)のサポートをされていて共演、ボーカル&ベースの林さんのソロもツーマンで共演させてもらって嬉しかったな。
・Death Surf 2000 – Channel13
とにかく色んな意味で唯一無二。後にライブも何度か見に行った。アメリカがイラクと戦争を始めた時、PIPE69でUE神さんがキレていて恐ろしかった記憶が。
・The Primrose – Electric Heaven
本当に大好きだったバンド。確かインディーズマガジンか何かに載ってたはず。何度もライブを見に行ったけど、自分にとって快楽と言う意味でこのバンドを超えるバンドは未だに現れていない。初期のEPでDeath Surf 2000のメンバーがギターを弾いてたはず。 しかし、この曲のドラムの音はLed ZeppelinのWhen the Levee Breaks 並みに衝撃的な音だと思う。( エンジニアの岩田さん (他にART-SCHOOLやsyrup16gも手掛ける)には後に1曲ミックスしてもらったりした。 ※Boys & Girls feat.モテギスミス)
多少は勉強していたはずだけど、こんな風に基本的に音楽のことばかり考えていた。こうして僕は大学受験、卒業に向けて歩みを進めていくのだった。
~つづく~